Essay

子どもと生成AI。心配しながら、それでも楽しみにしていること

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私は毎日のように生成AIを使っています。それでも、中学生、小学生、幼稚園児の3人の子どもには、自由に使えるアカウントをまだ渡していません。使うときは、今のところ私と一緒です。

AIの答えを何でも正しいと思い、人に聞いたり自分で確かめたりする前に、「分かった」と終わってしまうのは心配です。でも、新しいテクノロジーを怖がり、触る前から遠ざけてほしいわけでもありません。

ニューヨーク市が、2-K(幼児教育)から8年生までの公立学校で、生徒向け生成AIの利用を2026〜27年度の1年間、原則停止するというニュースも読みました。一部の高校では教員の監督下で限定的な試行を行い、利用停止と試行の影響を検討します。ニューヨーク市の公式発表(新しいタブで開きます)

学校と家庭では条件が違います。このニュースを読んでも、わが家の答えが出たわけではありません。ただ、止める範囲と試す範囲を分け、すぐに結論を出さずに考える姿勢は、今のわが家にも重なるように感じました。

自分のことだから、間違いに気づけた

息子がGeminiで、自分の名前について調べたことがあります。返ってきた説明には、違うことがたくさん書かれていました。

自分のことなので、息子にも間違いだと分かります。そこで「AIも間違えるんや」と気づきました。

私たちは、そのあとに話しました。今回は自分のことだから分かった。でも、自分が知らない分野について聞いたら、違っていても信じてしまうかもしれないよね、と。

AIは間違うことがあると説明されても、どこまで実感できるかは分かりません。自然な文章ですらすらと返ってくると、大人の私でも納得しそうになることがあります。まして知らないことなら、どこを疑えばいいのかも分かりません。

息子にとって、自分についての説明は、AIがもっともらしく間違えることを実感できる例になりました。さらに、その答えを二人で見たことで、「知らないことを聞いたときはどうする?」まで話が続きました。

私が今、一緒に使う意味を感じているのは、答えが合っているかを隣で監視できるからだけではありません。子どもがどこで驚き、何を不思議に思い、答えをどう受け取ったのかを、その場で話せるからです。

「なんで?」が消える前に、その続きを聞ける

心配があっても、子どもからAIを遠ざけたいとは思っていません。AIがあるから先へ進める疑問もあると感じているからです。

子どもが歴史の漫画を読んでいると、出来事の流れは分かっても、「なんでこんなことになったんだろう」「この人は、どうしてこれをしたんだろう」と、本編には書かれていないことが気になるかもしれません。

何と検索すればいいか分からず、別の本を探すのも大変で、そのうち「もういいわ」となる。疑問が消えないうちに、AIとの会話で続きを聞けることに、私は期待しています。

説明が難しければ、「もっと簡単に」と聞き直せる。納得できなければ、「でも、ここはどういうこと?」と続けられる。「別の見方はある?」と尋ねることもできます。

もちろん、そこで返ってきた人物の動機や歴史の説明が、そのまま史実だとは限りません。それでも、次に何を知りたいのかを見つける手がかりになることはあります。

一つ分かると、別のことが気になる。答えを受け取って終わるのではなく、問いが増えていく。授業や読書、会話、日々の体験の中で生まれた疑問を、そんなふうに広げられたら面白いと思います。

AIの答えのあとに、何かが始まる

わが家で一緒にAIを使うとき、画面の外に続きがあることもあります。

子どもが「なんか料理しよう」と言い出したのに、レシピが決まらない。作りたいものが見つかっても材料がない。そんなとき、家にあるものをAIへ伝え、「これは嫌」「それは作れない」と親子で話しながら案を探します。

「これなら作れそう」が見つかったら、そこからは私たちが材料を出し、手を動かします。AIの答えで料理が終わるのではなく、料理が始まります。

息子の定期テストでは、範囲に合わせた英単語の練習アプリを、私がAIに手伝ってもらいながら作りました。子どもにチャット画面を渡すことだけが、AIに触れる方法ではありません。今は私がAIで道具を作り、息子がそれを使うという関わり方もしています。

疑問の続きを聞く。作りたい料理を見つける。家庭に合う学習道具を作る。私がAIに感じている面白さは、答えそのものより、そのあとに何かが始まることにあります。

だからこそ、AIに聞いただけで、人との会話や自分で試すことまで終わってしまったら寂しい。正しい答えに早く着くことと、違う見方に出会ったり、自分で確かめたりすることは、私には同じではありません。

家庭の小さな疑問からAIとの対話を始める方法は、生成AIに何を聞けばいい?日常の小さな質問から使い方を広げる方法でも紹介しています。

何を面白がるのか、隣で見ていたい

私自身、「こんなものがあったらいいな」とAIに相談し、実際に使えるものを作るたびにわくわくします。一つできると、「じゃあ、あれも作れる?」と次に試したいことが出てきます。大人になってからも、こんなに夢中になることがあるのだと感じています。

子どもたちにも、新しいテクノロジーにびびらず、まず触ってみてほしい。けれど、何でもAIに任せてほしいわけではない。この二つをどう両立させるのか、私にもまだ答えはありません。

今は一緒に使いながら、AIに聞いたあと、子どもが何を思ったのかを話しています。自由に使うようになったときにも、AIとのやり取りだけで完結せず、誰かに話したり、実際に試したりするだろうか。そこは、まだ見通せません。

だからといって、心配だけを理由に、新しいものとの出会いを遠ざけたいとも思いません。

自由に使えるアカウントを渡すことには、まだためらいがあります。それでも、新しいテクノロジーに触れて、子どもたちが何を面白がるのか。それを見るのは、親としてすごく楽しみです。

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著者について

宮崎真理

『AI×家事』著者

神戸大学大学院で生体計測工学を専攻し、修了後はオムロン株式会社で技術職として勤務。出産を機に10年間の専業主婦生活を経て、2023年より生成AIを家事・子育てに取り入れ、暮らしの中での活用を実践している。

WOMAN AI AWARD 2026 ライフ・イノベーター賞受賞。講談社「with class」でコラムを連載するほか、テレビ出演、雑誌・Webでの執筆・監修などを行う。

3兄弟の母。1000日以上にわたる生成AIの実践経験をもとに、理系出身・元専業主婦の視点から、家庭という最もテクノロジーが遅れた場所を、生活者自身がアップデートしていく可能性を発信している。

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